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「ticket」 2017
¥350,000 税込
残り1点
電車の旅の朝は大抵早くて、なかなかそんなに早く起きることはないから、旅の朝はいつも新鮮味があった。片手には少し大きなチケット。手のひらサイズのチケットは、旅の実感を思い出させて愛着が湧いた。お得な期間限定の乗車券、特急は乗れないけど、私はだらだら見知らぬ街の景色を眺めて旅するのが好きだからちょうど良かった。駅で押してもらった色々な土地のスタンプが 5 つ。今日でこの旅も終わり。
何時間もずっと電車に乗っていくつもの町を通り過ぎていくうちに、朝の光から昼の光に変わる。真昼の電車の中は薄暗い。外は余計に明るいけど、太陽が真上にあるから電車の中は暗いのだ。ふと居眠りをして目が覚めると、知らない街の小さな駅だった。電車は空いていて、同じ車両には、私と、地元の人らしいおばあさんと。二人しか乗っていない。駅名は見ていないけどずいぶん遠くに来たなあと感じた。
外は晴れていて住宅街があり、その向こうに青い入り江が見えた。四角い窓から黄色い昼の光が差し込んで、向かいの座席と茶色い床に四角い影を作っている。膝の上には置いたままのチケット。昼下がり、電車が駅に停車していた束の間の静かな車内。
画材:キャンバス、油彩
サイズ:1303mm x 1303mm
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¥350,000 税込
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